DMDについて

デュシェンヌ型筋ジストロフィーすなわちDMDは筋ジストロフィーの中で最も一般的なタイプで、新生男児の約3,500人に1人の割合で発生します。原因はジストロフィンまたはDMD遺伝子と呼ばれる遺伝子の異常です。この遺伝子に異常があると体内でジストロフィンと呼ばれる蛋白質が生成できなくなります。この蛋白質は筋繊維の重要な要素で、これが欠如すると筋肉細胞が分解され、徐々に失われるため、時間と共に筋肉が弱っていきます。

ジストロフィン遺伝子はX遺伝子上にあるため、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの発症は男児に限定されます。女児には2つのX遺伝子があるため、その1つに異常がなければもう1つの遺伝子の異常を補うことができます。しかし男児ではX遺伝子とY遺伝子が1つずつのため、ジストロフィン遺伝子の1つに異常があればDMDの症状が現れます。一方、1つの遺伝子が異常でもう1つの遺伝子が正常な女児の場合、症状は現れませんが「キャリア」と言えます。これは病気が家族に遺伝することを意味します-キャリアである母親が筋ジストロフィーの息子を産む確率は50:50です。ただし、症例の約3分の1では、その男児で突然変異が自然発生しています。

通常、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの男児は10歳から14歳までに歩行能力を失います。10代後半までに上半身の筋力を失い、腕を動かすこともできなくなります。病気は心臓や呼吸に関わる筋肉にも影響するため、通常、この頃には夜間の呼吸補助が必要になります。その後、呼吸機能はさらに弱体化し、常時サポートが必要になります。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの若年男性の平均余命は短いですが、症状の管理方法が進歩したことで寿命が大幅に延長し、以前に比べてかなり自立した生活を送れるようになりました。

DMDの治癒方法は発見されていませんが、DMDに関するさまざまな研究が行われ、複数の新しい治療法について現在治験が実施されています。DMDは、筋ジストロフィーの男児のクオリティ・オブ・ライフと平均余命を大きく改善できる国際的に承認された治療指針が専門家によって確立されている病気でもあります。

CARE-NMDはこうした治療の基準の普及と実施をサポートします。現在行われている研究に関する詳しい情報はTREAT-NMDのウェブサイトをご覧ください。

09/09/2011